水質Q&A

1. 消毒剤の種類

(1)文部科学省 学校環境衛生の基準

   塩素剤の種類:塩素ガス、次亜塩素酸ナトリウム液、次亜塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌール酸のいずれかであること。

(2)厚生労働省 遊泳用プールの衛生基準

   原則として塩素又は塩素剤等の消毒剤。

(3)塩素系消毒剤

   次亜塩素酸ソーダ

   次亜塩素酸カルシウム

   塩素化イソシアヌール酸

2. プールの水質管理は

清潔で、安全なプール水を維持する為に、水質管理については以下のように基準が定められています。

  遊泳用プールの衛生基準 学校環境衛生の基準
厚生労働省
(平成13年7月24日)
文部科学省
(平成13年8月28日)
水質測定
検査頻度
毎日
1日以上
遊離残留塩素
(午前中1回以上、午後2回以上)
遊離残留塩素(使用前、使用中1時間 に1回以上)、
水素イオン濃度(使用前)、
透明度(水中3m離れた位置からプールの壁面が明確に見える程度)
毎月
1回以上
水素イオン濃度、濁度、
過マンガン酸カリウム消費量、
大腸菌群、一般細菌
遊離残留塩素(使用前、使用中1時間 に1回以上)、
水素イオン濃度(使用前)、
透明度(水中3m離れた位置からプールの壁面が明確に見える程度)
毎年
1回以上
総トリハロメタン、
レジオネラ属菌 (気泡俗槽等の設備)
総トリハロメタン
記録について プール日誌を作成し、使用時間、気温又は室温、水温、水質検査結果、利用者数等を記録する。 入泳者数、水温、気温、遊離残留塩素、 透明度、水素イオン濃度、消毒剤の 使用方法等を記録する。

厚生労働省通達「遊泳用プールの衛生基準」の維持管理基準でも「プール水は、常に消毒を行うこと。」が明文化されています。
適正な残留塩素濃度管理で、一般細菌等の増殖が抑えられ衛生的な水質ができ、
(1)目の刺激の原因物質のひとつである結合塩素(クロラミン)が分解されます。
(2)藻や水アカの発生が抑制されます。
(3)水の汚れが取れ、翌朝の残留塩素の立ち上がりが早くなります。
等の利点があります。また翌朝の残留塩素濃度が0.4/Lになるよう使用量を増減することで、翌朝すぐにプール使用が可能となります。

3. 残留塩素の測定方法は

(1)測定法は、DPD法です(比色法)で測定します。

   ピンク色に発色します。残留塩素濃度は、基準比色板の色と比較し求めてください。

(2)採水位置はプールの対角線3点以上を選び、表面及び中層の水について測定してください。

4. 残留塩素の消耗速度は

残留塩素は天候によって消耗する速度が異なり、晴天時、紫外線の強い時は、消耗が激しくなります。
一般には10分間に0.1〜0.2/L分解消失します。
紫外線の影響はプールの水深に関係します。プールの底部では、紫外線が少なく塩素の消耗も少なくなります。気温が高くなれば消耗が多くなります。細めに残留塩素濃度をチェックする必要があります。1時間毎にチェックするようにしてください。

5. 塩素剤の殺菌力は

※レジオネラ属菌については、遊離残留塩素濃度を1日2時間以上0.2〜0.4/Lに保つことが望ましいとされている。(厚生労働省平成12年12月「公衆浴場における衛生管理要領」通達より)

残留塩素 死滅する菌(死滅時間15〜30秒)
0.1/L チフス菌、パラチフス菌、赤痢菌、淋菌、コレラ菌、 ゲルトネル腸炎菌、黄色ブドウ球菌
0.15/L ジフテリア菌、脳脊髄膜炎球菌
0.2/L 肺炎球菌
0.25/L 大腸菌、容血性レンサ球菌

6. 残留塩素の消耗速度は

厚生労働省及び文部科学省の水質基準では、pH5.8〜8.6の範囲に定められています。
通常はプール水の入れ替え、補給水等によりこの範囲にコントロールされます。
pHが酸性側に傾くと殺菌効果は強くなりますが、目の痛みや機器等を腐食する要因となりますので、炭酸ナトリウム(ソーダ灰)等によるプール水の中和を行ってください。
またpHがアルカリ側に傾くと殺菌効果が弱くなるので、硫酸水素ナトリウム(重硫酸ナトリウム)等によるプール水の中和を行なってください。

7. pHと塩素の殺菌力について

厚生労働省及び文部科学省の水質基準では、pH5.8〜8.6の範囲に定められています。
中性(pH7)より高いほど(アルカリ性)殺菌力が弱くなり、低いほど(酸性)殺菌効果が強くなります。

遊泳中、入浴中に目に痛みを感じるのですが?

1. 残留塩素濃度が高すぎませんか。
→水中の残留塩素濃度が高いと、目に痛みを感じます。塩素中和剤で中和し、水質基準内(0.4mg/L〜1.0mg/L)に調整してください。

2. phの異常はありませんか。
→酸性もしくはアルカリ性に偏っていませんか。ph調整剤を使用して中性(ph7)付近に調整してください。中性付近にphを調整すると塩素の効果が高まります。

3. プール・浴槽内の水が汚れていませんか。
→水質の劣化がひどいと、塩素と反応してクロラミンが発生し、目を刺激します。このような場合はスーパークロリネーションを行ってください。濁りや浮遊物がひどい場合は、補給水を多くするか一部換水し、ろ過を十分にしてください。また、ろ過機の終日運転をお勧めします。

残留塩素が出ないのですが?

1. 塩素剤の溶け具合が悪くありませんか。
→固形塩素剤をご使用の際、保管中に吸湿すると溶けにくくなる場合があります。この場合、塩素剤の投入量を増やすことで改善されます。

2. 残留塩素の消費量が多くなっていませんか。
→晴天時や紫外線の多い日で、水温が高くなっている場合や利用者が多くプール水が通常より汚れている場合は、残留塩素は通常の1.5〜2倍量消費されます。頻繁に残留塩素を測定し、常に0.4mg/L〜1.0mg/Lになるように塩素剤を投入して調整してください。

3. 塩素剤が古くなっていませんか。
→塩素剤は液体・固体共に保管状況により劣化します。有効塩素濃度が低下した塩素剤を使用しても、残留塩素濃度に反映されないことがあります。使用期限、保管状況を確認し、できる限り新品を使用してください。

4. 尿、汗からのアンモニア分でクロラミンが形成されていませんか。
→尿や汗と残留塩素が結合するとクロラミンが形成されます。スーパークロリネーションを行って、結合塩素を分解してください。

5. 残留塩素濃度測定試薬(DPD試薬)が古くなっていませんか。
→DPD試薬が古くなると変色してしまうため、正しい測定が不可能になります。保管状況を確認し、新品のDPD試薬をご使用ください。

水が緑色に変色したのですが?

1. 有機系塩素剤濃度が高くないですか。
→ジクロルイソシアヌル酸・トリクロルイソシアヌル酸の有機系塩素剤を過剰に投入すると、phが酸に偏って、配管内の鉄を酸化させ、水の色が緑色に変色することがあります。直ちに補給を行い(換水が望ましい)、phを中性付近に戻してください。

2. 藻が発生しています。
→藻は残留塩素濃度の低下で発生します。水温が高いときや紫外線の多いときは残留塩素濃度管理を徹底し、藻の発生を抑えてください。また、降雨の後などは藻が発生しやすくなりますので、管理を徹底してください。

水が茶色に変色したのですが?

水質検査報告書等を確認してください。
→鉄やマンガン等の金属分が多いと金属イオンの影響でこの現象が起こります。スーパークロリネーションを行い、ろ過機の連続運転をしてください。また、ろ材が古くなっていないかを確認してください。

水が白く濁ったのですが?

水が有機物(汗、尿などの水アカ)で汚れています。
スーパークロリネーションを行ってください。また凝集剤(ポリ塩化アルミニウム、硫酸バンド)を使用したときに一時的に濁る場合があります。ろ過機をフル運転するか水の入れ換えを行ってください。

水がヌルヌルするのですが?

phがアルカリ性になっていませんか。
→水質がアルカリ性に偏るとヌルヌルと感じることがあります。中和剤でphを中性付近に調整してください。

水が白く濁ったのですが?

水が有機物(汗、尿などの水アカ)で汚れています。
スーパークロリネーションを行ってください。
また凝集剤(ポリ塩化アルミニウム、硫酸バンド)を使用したときに一時的に濁る場合があります。ろ過機をフル運転するか水の入れ換えを行ってください。

※ スーパークロリネーションとは
通常塩素剤による殺菌・消毒の管理を行っていても、遊泳者や利用者が多くなると尿や汗などのアンモニア分が増加し、急激に水質が悪化します。このアンモニアが塩素と結合してクロラミンを生成し、目に刺激を与えます。この場合、水中の塩素不足が生じていますので、一時的に残留塩素濃度を高くし、アンモニアを分解させます。この作業をスーパークロリネーションと呼びます。

☆ 作業方法 ☆ 必ず遊泳終了後、利用終了後に行ってください。 塩素剤を投入して、残留塩素濃度を5〜10mg/Lにします。 ろ過機を一晩中連続運転してください。
通常、翌朝には残留塩素濃度はなくなりますが、施設使用前に残留塩素濃度を測定し、0.4mg/L〜1.0mg/Lに調整してから使用開始してください。